受験の思い出
1年生最初の期末テストまで、公文に行っていましたが、
「公文のやり方では自分に合わない。
自分で勉強したほうがましだ。」
と言い出し、3年近く続けた公文をやめました。
確かに公文は計算力は伸びますが、
読解力(?)は身につきません。
その後地道に自分流に勉強を続けましたが、
3年になって
「クラスで塾行ってないのうちくらい」
と言うようになりました。
近所の塾に体験入学しましたが
「どうも合わない」
しかし夏休みに入って親友のR子ちゃんが
「塾へ行こう」と娘を誘い出しました。
受験の思い出についてR子ちゃんの存在ははずせません。
R子ちゃんは、お母さんが私と同病人で、
私より状態が悪いです。
発病当時多額の借金をつくり、民事再生を受けています。
R子ちゃんと、そのお姉ちゃんはよくうちに遊びに来たのですが、
お姉ちゃんが中学のとき、
「Sちゃんは、すごく人に気を使うよね。
もしそれが自分にとって苦労じゃなかったら、
看護師になりなさい。
一人で生きてゆけるようになりなさい。」
と、よく言ったんです。
S子ちゃんは、今看護学校に通っていて、就職も内定しました。
妹のR子ちゃんは、見ていても勉強のできる子で
「高校はどこにするの?」と聞いたら
「お姉ちゃんと一緒のところ」と言うんで
「R子は、もっと上いけるから上目指しなさい。
勉強は何が好き?」
「英語」
「英語の教師とか、翻訳家とか通訳とか興味ある?」
「あ~すごいある」
「あんたはできるんだから、伸ばしなさい。もっと欲をもちなさい。」
って言ったんです。
そうしたらR子ちゃんが、学区内で一番上の高校受験を親に頼みました。
すぐに、R子ちゃんのお母さんがうちにやってきて、
「R子がS高行きたいって行ってこまってるの。
あたし、、、、夜学に行ってもらいたくて。
交通費とか出せない。働いて生活費を入れてもらいたい。」
と、言ったんですね。
私は頭に血がのぼってしまって
「親の借金で子どもの未来をつぶすのはありえない!
地面にはいつくばって泥をなめてでも子どもに尽くすんだよ!
S高なんてだれでも入れる高校じゃないんだよ。
すごい能力ある子なのに、宝石をただの石にするようなもんだよ!」
って、すごいきついこと言ってしまいました。
ずっと年上の人なんですけれど。
そんなR子ちゃんが塾へ行くと言い出したのにびっくりしました。
R子ちゃんは、お金がないのでやっとの思いで、チャレンジだけで勉強していました。
家に友達が集まって勉強会をしていましたが
R子ちゃんは、ほかの子と全く違いました。
小さな時間も惜しむように、緻密に丹念に集中して、
登下校のときにも単語帳を手にして、一生懸命勉強していました。
漢検を受けるときも、英検を受けるときも
人からもらった問題集で勉強していました。
そのR子ちゃんが塾へ行くのは、
年の離れた一番上のお姉ちゃんがお金を出してくれたのです。
そのお姉ちゃんも高校進学のときに夜学へ行ってくれといわれ
グレて、一時期暴走族に入っていました。
でも頑張って奨学金で大学へ行き、今は保育士をやっています。
民間ですからそんなにお給料はよくありません。
でも生活費を家に入れて、結婚もしないで頑張っています。
やっぱりお母さんが「生活費を入れてくれなくなったら困る」と言い出し、
同じように怒鳴ってしまったことがありました。
そのお姉ちゃんは私の妹と同じ年で、
妹はもう結婚して子どももいるのに、なんで親に縛られなければならないんだと、
本当に頭にきてしまいました。
今は「民事再生が終わるまで」ときめて、恋人に結婚を待ってもらって頑張っています。
だから、たぶん、R子ちゃんのことを思っているのは
お母さんよりおねえちゃんの方が強いのだと思います。
そうしてR子ちゃんと娘の塾探しが始まりました。
娘に
「R子ちゃんとあんたの学力は違いすぎる。
R子ちゃんは、安い大手のクラス制の塾で十分やってけるけれど
あんたは個別指導じゃないとムリなんだよ。」
娘にそれを理解させることが難しく、
クラス制の塾の方がR子ちゃんの負担が少ないことを言うのも辛かったです。
そして一番きつかったのが、R子ちゃんが、娘と一緒に塾へ行きたいと言い張っていたことです。
正直、R子ちゃんと一緒に行動すると、娘がつぶれるのが明らかでした。
学力差がありすぎました。
何日も娘とやりあって、とうとう家庭教師をつけることで説得しきりました。
クラスの中ではR子ちゃんは、
頭がよく性格もよく大人しくてかわいい子としてみんなの憧れの的です。
R子ちゃんが抱えている大きな問題を知っているのは娘だけです。
結局R子ちゃんも、この前期選抜で難関校を見事合格しました。
正直、娘の友人たちで、ギャル系のHちゃんが娘より上の高校に受かったのはねたましい気持ちがないわけではありません。
もう、Hちゃんに面と向かっていいますもん。
「HがT高受かってまぢ悔しいし。あんたちゃらけて遊んでたジャン。ちくしょ」って。
Hちゃんは「え~~~」と言って細い眉毛で笑っていました。
でもR子ちゃんが難関のS高に受かったことだけは本当に心からうれしいです。
親たちの間では「塾へ行かないと受験はムリ」って言う人が多いですが
私は
「R子ちゃんは塾半年しか行ってないよ
嫌みったらしく言ってやります。
(うちも半年しか行ってないし
R子ちゃんは、生きるために勉強してるんです。
合格発表の日、娘の友達から次々と電話が来ましたが、
R子ちゃんから合格の電話が来たときは、
娘もほとんど涙声でした。
勉強ではR子ちゃんに随分遅れをとっている娘ですが、
R子ちゃんという親友から
「生きるために学ぶ」と言うことをきちっと伝えられているから、
いつかきっとR子ちゃんと肩を並べて笑っていると思います。
親友・ばんさい
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